【CES2018】NVIDIAの自動運転車両向けプラットフォームは「LEVEL 5」を実現する?

どうもこんにちわ!unianikiiです。

【CES2018】でNVIDIAの総帥Jensen Huang(ジェンスン・フアン)氏による基調講演がありました。

NVIDIAが今後力を入れていくのは「ゲーム」「AI」「自動運転」の3分野とのことです。

ゲーム

「NVIDIAにとって,ゲームは1000億ドル規模の市場があり,しかもそのビジネスは力強く成長し続けている」

NVIDIAのトップJensen氏は「ゲーム市場」の将来性を強調し、「子供から大人まで、さらにお年寄りまでゲームをするだろう」なんて言ってます。

考えてみればそうですよね。

ファミコンからゲームをやり始めた子供たちがもう40代50代です。

昔はジジババはゲームをしなかったもんですが、これからジジババになっていく私たちはゲームをするジジババ、その子供や孫はゲームの中に生きる世代かも知れません。

NVIDIAといえば泣く子も黙るビデオカード界の雄です。

GeForce256」というビデオチップが出たのが20世紀末。

「GeForce256」は当時最新のマルチメディアAPI「DirectX 7.0」に準拠したジオメトリエンジンを搭載することで描画性能を大きく伸ばすこと成功した「GPU」です。

その後、競合である「3dfx(GPUメーカー、VooDooシリーズが有名)」を取り込み当時の「ATI(現AMD)」との競争になだれ込むムネアツな展開は今も続いていますね。

そういえば「(GPU)Graphics Processing Unit」という言葉を作りだしたのもNVIDIAです。

そんなNVIDIAですがゲームに関する発表はこれだけ。

かろうじてゲームっぽい発表はBFGDくらいです。

ちょっとさみしい感じがしました。

AI

NVIDIAの総帥Jensen Huang(ジェンスン・フアン)氏

AIに関しては2017年に発表したAI向けGPU「NV100」を搭載する「Tesla V100」の性能がアピールされました。

発表された内容は2017年12月に行なわれた開発者向けイベント「GTC Japan 2017」での基調講演と変わらないもので新要素はありませんでした。

ちなみに「GTC Japan 2017」での基調講演は以下のような物。

「NVIDIA Holodeck」

「Holodeck」仮想空間を利用して,複数人が共同作業を行う

仮想空間内で共同作業を行える多人数同時参加型VRシステム。

「もう無理!」ってことはない!

世界を変えるのはクラウドでもモバイルでもない,まさにAIなのだ

これまで不可能と思われていたことをGPUとAIが実現できている。

日本国内のAI

AIに関して日本は,非常に活発に研究開発が行われている国だ

色々な受賞歴

AIがかかわる国内の市場規模

日本におけるAIの商機。自動車市場、産業や建設、ヘルスケア分野の市場がある

日本におけるAIの商機

  • 自動車市場では自動運転などに10兆ドル(約1127兆4000円)
  • 産業や建設ではそれぞれ2000億ドル(約23兆5000億円)
  • ヘルスケア分野にも700億ドル(約7兆9000億円)

AIを取り入れることで、日本企業がこうした分野で活躍できる。

小松製作所とのコラボ

建設機械大手である小松製作所(以下,コマツ)との協業

日本企業の新たなパートナーシップとして,建設機械大手である小松製作所との協業を発表した。

NVIDIA製の組み込み機器向け開発キット「Jetson TX2」をコマツが採用し,ドローンなどを使って建設現場の可視化。

自動運転車両

NVIDIAの【CES2018】のメインコンテンツは自動運転車両でした。

Huang氏は

「全米では年間820万件の自動車事故が起きており,130万人が交通事故で死亡している。その経済的損失は年間500億ドル以上だ」

といい、AIを活用した自動運転車両の開発に成功しうまく普及すればこの問題が解決するとしています。

また,自動運転車両の技術は物流や人の移動に革命をもたらし

「将来的に3兆ドルという超巨大市場になる」

と大胆な予測もしています。

トヨタの「e-pallet」構想と似ているような・・・

それもそのはずトヨタとNVIDIAは2017年の「GTC(GPU Technology Conference)」で協業を発表しています。

  • トヨタ自動車が今後数年以内の市場導入を見込んでいる自動運転システムの性能を高めるため、人工知能(AI)によるハードウェアとソフトウェアのテクノロジーを提供する。
  • 採用するのは「NVIDIA DRIVE PX」。
  • 搭載するのはトヨタ自動車が市場導入予定の高度な自動運転システム。
  • NVIDIAとトヨタ自動車、両社のエンジニアリングチームは、車載センサーで生成される大量のデータを理解して自動運転の幅広い状況への対処機能を強化する、高度なソフトウェアの開発に既に着手している。

 

DRIVE Xavier

そのうえで発表されたのが「DRIVE Xavier」(ドライヴ エグゼイヴィア)というバカデカSoCです。

DRIVE Xavierは,ARMv8アーキテクチャに基づく64bit CPUコアを8基と,Voltaアーキテクチャベースでシェーダプロセッサである「CUDA Core」を512基,行列計算専用の演算コア「Tensor Core」(テンサーコア)を20基集積しているそうです。

スペックを見てもイマイチぴんと来ないのですが、「1.5GPix/s」というイメージ処理速度がすごいとのこと。

自動運転のために使われる車載カメラは30MPixelという仕様なので

「車の周囲すべてをカバーする,全カメラの画像をDrive XAVIER 1つで処理できる」

らしいです。

無理クリ理解しようとすると、

自動運転のキモは自動車とその周囲の状況を把握することで、それには何台もの車載カメラの映像が使われるのだけど「DRIVE Xavier」なら1.5GPix/sでイメージ処理できるからヨユウ!!

ということでしょうか。

「DRIVE Pegasus」

さらにこの「DRIVE Xavier」を2個搭載した「DRIVE Pegasus」というのがあって、これを使えば「LEVEL 5」の完全自動運転が実現するそうです。

既に中国のインターネット企業「Baidu」と,ドイツの自動車部品大手「ZF」がDRIVE Xavierを自立運転技術の開発に採用することも明らかにしています。

 

まとめ

【CES2018】Jensen Huang(ジェンスン・フアン)氏が推したかったのは

「自動運転車両」と「AI」

まだ発表されたばかりなので、すぐさまどうにかなるかというとそうでもない気がしますが、考えてみると今は当たり前の「縦列駐車機能」なんかは5年前にはなかったわけで。

遠くない未来に「LEVEL 5の完全自動運転車両」が出てくるんだろうな、と思ってしまいます。

ただ自動運転というものはその自動車単体の性能だけでなく「対向車の性能」「道路などのインフラ」「人々の認知」「法律の整備」などの要素が複雑に絡まる技術だと思うので、ハードは出来上がってもソフトの問題でつまづきそう・・・

GPU関連の発表が少なかったので残念ですが、次世代GPU Voltaを使ったビデオカード「NVIDIA TITAN V」の出荷がすでに始まっていますので、2018年の遅くない時期にGTXの2000番台が発表されることでしょう。

ありがとうございました。