AMDの野心 CPUにいろいろ詰め込む計画
どうもこんにちわ!unianikiiです。
アメリカの半導体製造会社AMDのニュースです。
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CPUにいろいろ乗っける
コンピュータの頭脳であるCPUにグラフィック機能が統合されてかなり立ちますが、AMDはそれ以上のことを考えているようです。
AMDのLisa Su(リサ・スー)CEOが半導体カンファレンスで発表
AMDの目指すゴールは、完全な3D統合ソリューションだ。CPU、GPU、DRAM、NVM(Non-Volatile Memory:不揮発性メモリ)など、すべてを1パッケージに統合する。3D積層技術を使って、チップ同士を積層し、チップサイズのパッケージの中に、コンピュータが必要とする全てを搭載する。言い換えれば、3Dスタッキングで究極のシステム統合を実現する、これがAMDの野心だ。
簡単に言うとCPUにグラフィックもメモリもハードディスクもみんな乗っけちゃうということ。
色々入っているCPUといえばスマホや家電用のSoCが思い浮かびますが、まさしくそんな感じでしょう。
SoC(System on a Chip)は簡単に言うとスマホとか家電向けの統合型CPUで、CPUとGPU(グラフィック)とチップセットとモデム(Wifi)が1チップにギュッと詰まったもの。
スマホやタブレットはこのSoCにカメラ、ディスプレイ、マイクなどを取り付けてケースに入れてる感じ。
今回AMDが発表したのは
「モデムは入ってないけど、代わりにメモリとハードディスク(記憶装置)が統合されたCPUを作ることを計画してます。」
ということです。
この統合型CPUが完成するとメモリと記憶装置がとっていた場所がまるまる空くので、もしかしたらパソコンの形が変わってしまうかも知れませんね。
AMDはクアルコムとも提携するようだし。
なんで積層化するの?
AMDのスーさん(CEO)が言うには、半導体(CPUとかGPU)の性能の向上が鈍ってきたとのこと。
AMDの半導体の性能はプロセス技術(簡単に言うと配線の細さ)の向上によってそれまで約1.5年に2倍のペースで向上していたのが、ここ10年は2.4年で2倍のペースに落ちてきました。
それでも性能は上がっているのですが、この先10年はいよいよプロセス技術での性能向上はスローダウンするとみられているそうです。
しかもプロセス技術が向上すると半導体チップの製造コストが急上昇して行くそうです。
そこでAMDはプロセス技術頼るだけでなく、3D統合ソリューションというアプローチでこの危機を乗り切るのだそうです。
AMDの統合型CPUのイメージ
AMDがやろうとしているのは3D積層化という技術です。
今までのCPUやSoCはCPU(計算機能)、GPU(グラフィック機能)、モデム(Wifiなど)を横並べで配置していたのですが、3D積層技術はそれらのものを縦に積み重ねる技術です。
AMDはHBM(High Bandwidth Memory)という技術を使ったメモリを搭載したビデオカードを発売しましたが、HBMもメモリを積み重ねる技術で、今回はこれをさらにCPUに積み重ねようとするものですね。
HBMはCPUとメモリとのやりとりのスピードがすごくはやくなるのですが、問題は発熱がすごい。
今まで複数枚のメモリチップを横に並べて1枚づつ冷やせる構造だったのが、全部重ねてしまうんですから。
ですからこのビデオカードも水冷でした。
このHBMをCPUと統合しようというのですから大変です。
AMDは発熱に関しては発表していないようなのですが何か考えがあるのでしょうね。
ちなみにAMD最大のライバルのインテルも将来のCPUの形として積層化技術をあげています。
インテルのは若干横並べですね。
まとめ
なんやかんや書いてきましたが、今回のAMDの発表はまだまだ
「こういうふうにできたらいいな」
というロードマップにも乗らないレベルの話で、来年再来年あたりに出てくるといった類のものではありません。
ただこの技術が完成すれば間違いなくパソコンやスマホの物理的な形状が変わってくるでしょう。
自作パソコンなんてものもなくなるかもしれません。
なにせ小さな半導体ひとつにパソコンの機能がほぼすべて入ってしまうのですから。
IoT(Internet of Things)が加速度的に進み、あらゆる製品にICチップが組み込まれ、何でもクラウドに吸い上げられ、AIに選別判断される未来はまるでターミネーターかブレードランナーじゃないですか。
そういう未来はいいのか悪いのか私にはわかりませんが、世界がその方向へ進んでいるのは間違いありません。
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ありがとうございました。