【切ない話題】小学生ワイと転校してきた黒人、マッキーとの思い出
1学年1クラスしかない田舎の学校や
6年間一緒のクラスメイトよ
小学5年生の時にやってきた黒人マッキー
彼との出会いで平々凡々に過ごしていたワイの学園生活が変わっていくンゴ
38人や
同じで草
ワイは小4まで2クラスあったで
小学生ワイと転校してきた黒人、マッキーとの思い出
うちの地域には少しでかめの工場があって
そこに配属の親父と一緒にやってきたんや
初日、転校生がくるぞガヤガヤからの黒人登場にクラスは静まり返った
名前はマッキー
そこでお調子者の観月が口を開いたんや
「黒くてマッキーってマジックじゃんwwww」
クラスは爆笑の渦に包まれた
ワイはずっとマッキーを見ていた
マッキーは微動だにしなかった
なんでこの人語り出してるの?
実は小学校の時はクラスが6年間1クラスしかないような学校
これもうアントニーやろ ちがうか?
わいは初めてや
マッキーはずっと無表情だった
自分の名前をつげた後はずっと口を閉じて前だけを見てた
先生に先導されて席に着く
授業が始まるけど落ち着かない雰囲気やった
書き溜めてないんか?
マッキーはいじめられた
クラスはマッキーがまるでいないみたいに時間が流れた
授業でマッキーが口を開くとクスクスと笑い声が聞こえた
給食の机はみんなでくっけてテーブルにしてやるんだけど、マッキーの机だけくっつけずに少し離された
マッキー、マッキーのものに触れるとマッ菌がうつる。顔が黒くなるっていう遊びが蔓延した
それで陰キャイッチが親近感を覚えて仲良くなったんや
もしくはマッキーがええ事をしてイッチくんの人生が変わった
悪い菌の存在が菌遊びを生むんや
マッキーは体育の時間はよく見学していた
そんでいつも長袖長ズボン
そんなことも閉鎖的な小学校においては目をつけられる要員だったのかもしれない
先生もマッキーの現状を知っていたに違いないけど何も変わることは無かった
それでもマッキーは毎日学校に来た
今回の話とそこは関係無いからNG
ワイは小児喘息持ちで当時ピークやって学校を休んだり早退して病院行ったりが増えた
ほんで一時期は体育も見学するようになった
隣にはいつものようにマッキーがいた
マッキーは体育座りをして前をじーっと見てた
ワイはマッキーに言ったんや
「たのしい?」って
ワイは人が希望を見た瞬間絶望に落とすのが大好きやった
マッキーは何も答えなかった
一回ゆっくりこっちを見た後にまた前をじーっと見てた
せやからワイは言ったんや
「うちこない?」
ワイん家には庭にバスケのゴールが付いてるんや
兄貴が使ってたやつやけど
ワイは日頃から思ってたんや
黒人やしマッキーはバスケうまいに違いない
見てみたいなぁ
練習してぇなぁ
マッキーは前を見ながら口を開いたんや
「いいよ」
それが最初の会話やった
後から知ったことやけど
ワイがNBAの下敷きを使ってるのをみて、こいつバスケ好きなんか…って思ってたとのことや
そんで学校の1日はいつも通りすぎてランドセル置いた後にここ来てやって近くの駄菓子屋を待ち合わせにした
マッキーは来なかった
かっちょええな ワイも明日から無言で日常をこなすわ
いつも通りやろ
しゃーないわ 切り替えてけ
草
少し日も落ちてもうあかんなと思ってモヤモヤを抱えながら帰路についた
途中で団地を横切ると道路沿いの石段に座るマッキーがいた
「ここの団地やったんか」
「うん」
「なんでこなかったんや」
「行ったことないからわからなかった」
「言えばええやん」
「言えないよ」
「ほな暗いしまた明日な」
「明日」
こんな感じの会話をした
ワイは家に着くまでの間何とも言えない気持ちになってニヤニヤしてた
モヤモヤは晴れた
J民特有のキモさも見え始めて来たわ
ほんで翌日は団地までワイが迎えに行ってうちでバスケしたんや
予想通りマッキーはバスケが上手かった
身体能力のバケモンや
なんで学校で体育やらんのか聞いたら汗をかくから
ほなら半袖短パンでええやんと言ったら肌が見えるから
もやしっ子だとみんなに思われてたマッキー
ワイはバスケで勝てなかった
ほんで夏になる
クラスではマッキーももう空気みたいな感じで特に騒ぎはなかった
いない
ワイも学校だとそんな空気に流されてる
ほんで放課後うちでバスケ
ワイとマッキーは友達なのか友達じゃないのか
友達って何なんだろうなって
夏
プール
水着
マッキーは逃げられなくなった
俺も中学校でいじめられたときにひとりだけ助けてくれた人おったわ
恩返しはしてきたど
クラスでもマッキー熱が再加熱された
身体も真っ黒なんかな?
筋肉ムキムキやろ
いや、ガリガリやろ
泳げるんかあいつ
チンポでかいんか
いやあんなんモヤシやろ
そんな中でいざ体育の授業
着替えの時間
歓声が起きマッキーの着替えは観月によって実況されながら催し物にされた
拍子抜けや
マッキーは引き締まった体付きで運動してる人のそれやった
指笛を吹いていた観月は固まった
マッキーは身長高い。身長は一番たかかった
でもいつも体育座りしていたりしてたからそうは見えなかっただけで
クラスが静まり返った
男子が全員思ったと思う
「こいつに勝てなくね?」
マッキーの逆襲が始まる
いねぇよなぁ!
マッキーはプールサイドに出ると女子から悲鳴が上がる
小馬鹿にしたような人を嘲ける嫌な感じの
でもマッキーはただ前だけを見てた
準備運動をして入水してあれこれ
ほんでいざ泳ぐとき
マッキーの出番がきた
めちゃくそ早かった
マッキーの泳ぎを見て笑う奴はいなかった
泳ぎきってあがってきたマッキーに先生が言ったんや
「こんなに早く泳げるなら言ってくれよwお前は我が校のスイミーだ!!!」
弾けるような笑顔でマッキーの肩をぽんぽんしながら言ってた
マッキーはこの日からマッキーではなくスイミーになった
黒いからスイミーか
今思えばとんでもない発言だったと思うけど
マッキーはスイミーになってから変わった
体育も半袖短パンで参加するようになった
スイミーは足も早かった
いろんなクラブからも誘われてたけどクラブ活動はしなかった
放課後はいつものように二人でバスケをしていた
これで運動音痴やったらマジで地獄やろ
手のひら返しする教師は反省しろ
黒人差別やめようや
スイミーは日に日にイキイキしてた
学校に打ち解けてきたのもあるけど日本語もだいぶナチュラルになった
ほんでいつもみたいにバスケをした後に聞いたんや
「たのしい?」って
そしたらスイミーは笑顔で答えたんや
「たのしい!」って
ワイはそんなスイミーに腹が立ってたまらなかった
自分より下に見えていたからこそ仲良くできる関係性もあるってわけやしなあ
ワイはただ前をじーっとみたりして物静かなマッキーに親しみを感じてた
でも運動ができていつもニコニコしてて前向きなスイミーに苛立ってた
ほんで言ったんや
「もううちこないで」
その返事を聞く前にワイは家の中に入っていった
彼がどんな顔してたのかわからない
マッキーだったのかスイミーだったのか
それからワイは彼と放課後遊ぶことはなくなった
観月たちと遊戯王したりしてた
うちの庭にも平穏が訪れた
ほんで6年生になった
6年生になったといってもクラスメイトの顔触れは変わらず
担任の先生も同じ
ただ教室が変わって5年生から1文字変わっただけ
ワイはあれ以来彼のことをまともに観ようとしていない
彼が今前を向いているのか下を向いているのか
ワイは後ろめたさを感じつつ負い目もありクラスの中でおとなしくしていた
特にドラマチックなことも特記することもないよ
彼はスポーツマンとしてはつらつと
そしてワイは卑屈に過ごしてた
中学進学も田舎やしだいたいみんな近くの圏内の中で進むんや
ほんでもそこに交わらない人がいたんよ
スイミーと観月や
観月はお受験でスイミーは詳しくは知らないけど何かの事情で
彼とは2年、観月とは6年間一緒に過ごしてきてやっぱり感じるものはあるわけで
なんかすごい遠くに行っちゃう気がした
別れはあっという間に来たけど、最後に交わした言葉が何だったのか覚えてない
卒業して最後にみんなでワイワイの中で「ごめんな」と言えれば何か変わったのかもしれないけど
実際言えてないし考えるだけで無駄なんやけどな
そんで今や
ワイは地元にも帰らずあの頃の人たちとは全く連絡も取ってない
というか連絡先も知らない
ほんまにワイの少年時代は存在したんやろか
そんなことを考えてまう
ほんでも今でも夢に出てくるのはあの頃の人たちでそこにはマッキーがいてスイミーがいるんや
10年20年とこれから過ぎていってもワイは小学生の頃の人たちの夢を見続けるんやなって
でもイッチは人種差別ではなくあくまで相手を同じ人間として見ていて嫌う嫌わないの問題やん
そんなの気にしなくてええんやで
日本人であっても同じってことあるやろし、自分に正直な子供なんやしなんも非があるとは思わんよ
ほんでもいつもワイはスイミーに対して冷たくしてまうんや
起きて夢から覚めてしばらくぼーっとして
Twitterやら何やらで彼の名前で調べてまう
でも彼は出てこない
今どこで何してるんだろう
結婚とかしてんのかな
仕事はなにしてんのかな
いつか何かの奇跡で歯車が合って再会した時には言ってやりたい
「うちこない?」
そしたらワイは前を向けるようになるんかなって
うまくまとめたやろ
あいつも珍しい苗字やから
オツイチ
あっさり終わったのがよかった
元スレ:hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1645098420/
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マッキーは良い人